足底腱膜炎の退行変性には様々な要因が考えられますが、歩行やランニングによって繰り返し加わる張力が、障害発生の主要なメカニズムと考えられます。
足底腱膜炎の張力は、踵骨が底屈し、足趾が背屈することで、遠位と近位付着部の距離が延長することで発生します。
張力の詳細な発生機序に関しては機能的安定化機構の中で
また、近年では足底腱膜とアキレス腱のパラテノンに連続性があることが確認されており、関節運動に伴う伸長だけでなく、下腿三頭筋の収縮が、直接足底腱膜に張力を加える可能性も示唆されている。
足底腱膜にかかる張力を測定した結果、立脚後期に最大で体重の約96%の張力が足底腱膜にかかる。
また、足部形態はハイアーチ、ローアーチともに足底腱膜炎のリスクファクターとされている。
ハイアーチは衝撃吸収に不利な形態のため、足底腱膜にかかる負荷が増大すると考えられる。
同様に、踵部脂肪体の衝撃吸収能力低下も足底腱膜炎の発生に関与しているとされる。
一方、ローアーチでは荷重によってアーチが低下することで、足底腱膜が伸長され、ストレスがかかる。
それらの要因によって、大きな張力が繰り返し足底腱膜に加わることで、組織の退行変性が惹起され、足底腱膜炎がはっせいすると考えられている。

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