ヒトは動物の眠りと比べると特殊。
毎晩起こる進化の大イベント。
ヒトは眠りで進化した。
ヒトが知性を発達させたのは睡眠を長くとれたから。
なぜそれほど眠らなければならないのか?
1953年に発表された論文では
二種類の眠りがある。
ノンレム睡眠(深い眠り)
レム睡眠(浅い眠り)
レム睡眠は眠っているにもかかわらず、脳波は小刻みに動いている。
レム睡眠の状態は、覚醒時(安静時)に近い。
レム睡眠時は脳が活発に動いているため、寝返りなどがおきない。
脳は起きている状態に近いが体は深く休んでいる。
パラドシカル(逆説的)な矛盾した状態が レム睡眠。
2018年 レム睡眠に必要不可欠な遺伝子を発見。
進化的にはレム睡眠は新しい眠りで、古い時代の私たちの祖先はノンレム睡眠しかもっていなかった。
ノンレム睡眠の場合は脳波がゆっくりと大きく変動し、体は寝返りをする。
レム睡眠とノンレム睡眠をバランスよく保つ
調子よく移り変わることは
ヒトの高度な知性を主る上でとても重要である。
脳の中には細胞がたくさんあり、レム睡眠時は それぞれが活動しざわついたコンサート会場の様な状態になっている。
一方でノンレム睡眠時は、ゆっくりとオーケストラ会場のように静かにみんなで同じハーモニーを奏でている
なので振れ幅が大きくなる。というイメージ。
ヒトの一晩の睡眠(八時間)
眠りに入るとまずノンレム睡眠が先に来てそのあとにレム睡眠に変わる。
こうして一般的には4~5回繰り返され
眠りに入ってから8時間ほどで目が覚める。
では、なぜ最初に深い眠りから入るのか
これは動物も一緒で、レム睡眠にいきなり行ってしまうと、非常に危険
体の動かないレム睡眠にいきなりなってしまうと、突然襲われたときに危ない。
先に脳を休ませてカラダは動ける状態にしておかないと
反射的に動けない。
レム睡眠中脳が活発に動いて何をしているのか?
2019年雑誌サイエンスの論文
レム睡眠で脳の海馬の記憶を消す。
と強く示している。
海馬とは脳の内側に左右二つある領域、ここは記憶を形成することで重要な働きをすることで知られている。
私たちが体験したことは一時記憶として、まず海馬へ送られる。
大切な体験記憶はここから大脳皮質へ転送され長期記憶として保存される。
いっぽうあまり重要でない記憶は海馬で消されると言われている。
この海馬での記憶の選択にレム睡眠が深くかかわっていることがつきとめられた。
レム睡眠中に活動するMCH神経が海馬で記憶を消去する働きがあって
これが毎晩寝ている間に起こるレム睡眠中活動し
記憶を徐々に消去している。
なぜレム睡眠中に積極的に記憶を消すのか?
一つの理由は起きているときに五感からからたくさんの情報を得ており一部を消去する。
その一部を消して、新しい情報を取り込める状態を作っている。と言われている。
レム睡眠ノンレム睡眠の一サイクルで
自然選択のような進化のプロセスが一回りする。
それが毎晩4~5回起きる進化の大イベント
睡眠は進化の大イベント
重要でないものと重要なもので選んでいると言われている。
睡眠中に新しい人格が毎日形成されている。
理念に沿った行動を習慣化する。
(人格は繰り返す行動の統計である)
それゆえに優秀さは単発的な行動にあらず、習慣であるbyアリストテレス
現代ではクリエイティブとも称される
ノンレムの深い意味は
神経細胞と神経細胞の間のシナプスがあり
ノンレム睡眠中に新しくできる
情報は神経細胞から別の神経細胞へ伝達される
その情報を受け渡す構造をシナプスという。
このシナプスがノンレム睡眠中 次々に作られているといわれている。
レム睡眠の時にそれを壊す。
繋がりをまた強くするため。
レム睡眠の時はシナプスを壊したり補強したり
ノンレム睡眠の時は、まだつながっていないところを開通させたりする。
よく勉強は途中でやめて寝ろといわれますが、怖くてなかなか難しいが
非常に解けない問題、解きがたい難しい難題を
脳は自然と、もしかしたら夜の人生の三分の一のときにやっているかもしれない。
進化の自然選択のプロセスは新しい種が生まれて
変異で生まれて環境で選択される。
新しい物が生まれる(ノンレム睡眠)新しい繋がりシナプスが生まれて
レム睡眠の時に環境に合わせて情報を流してあげてスクラップ&ビルドする。
我々の進化させてきた自然選択が毎晩4~5回起こっているのではないか
睡眠を短時間で済ませてしまうのはもったいない。
睡眠は大チャンス。
次の新しい自分に変われるチャンス。
現代医学では夢の研究が進んでおり
心や脳の病気は必ずと言っていいほど、睡眠に異常が出る。
いずれ、生活するうえで、眠りの情報をシェアする時代の技術開発が行われている。
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