健康を保てるか、病気になるかは腸内細菌による影響が大きいです
体の中でどのような腸内細菌が働いてくれるかが
真の病因や治療法に革命をもたらす可能性があります
高血圧、2型糖尿病、肥満、動脈硬化の人が持つ腸内細菌は 健康な人とは明らかに組織が異なっています
病気の人の腸内細菌を調べると、善玉菌である乳酸菌の割合が著しく変化します
その結果、腸内細菌が生み出す物質、特に短鎖脂肪酸が減少しています
短鎖脂肪酸とは、腸内で食物繊維やレジスタントスターチを細菌が醗酵して作る物質 小腸で栄養分を吸収された食事の残りかすは大腸内に流れ込みます
食物繊維については、人は分解する酵素がないため小腸で分解されずそのまま大腸に移動します
大腸内で腸内細菌が食物繊維を処理した結果、短鎖脂肪酸が作り出されます
作り出された短鎖脂肪酸は吸収されてエネルギとしても使われます
すなわち、腸内細菌が食事からおよそ10%余分にカロリーを抽出していることになります
また短鎖脂肪酸は大腸の粘膜の炎症を抑える作用があります
腸内細菌の生み出す短鎖脂肪酸がなければ、腸内は炎症が持続し、腸内環境が悪化します
●腸内細菌の生み出す短鎖脂肪酸は、腸内で働く以外に、多数の役割があります ストレスを受けて脳に刺激があると、腹痛や下痢などの胃腸症状が出ることは古くから知られています
しかし現在では腸からも脳に情報が伝達されていることが分かっており
この腸と脳の関係を『腸脳相関』と呼びます
短鎖脂肪酸はこの腸脳相関がカギとなる物質です
腸内で短鎖脂肪酸が作られないとどうなるか 短鎖脂肪酸は脳内での神経伝達物質の濃度をコントロールします
伝達物質の一つ、セロトニンは精神を安定させ、睡眠や体温などの生体リズム、体温調節などに関与します
セロトニンの異常によって攻撃的になったり、不安やうつの状態を引き起こします
脳内に入った短鎖脂肪酸はこのセロトニンを合成する酵素の働きを調節します
セロトニン以外にも意欲の原動力となるドーパミンや、恐怖や興奮に対して分泌される
ノルアドレナリン、アドレナリンの酵素も調節します
腸内細菌が生み出した短鎖脂肪酸が、神経伝達物質を介して脳の働きを調節しています
たんぱく質に含まれるグルタミン酸、ギャバなども短鎖脂肪酸が調節します
腸内細菌がしっかりと短鎖脂肪酸を合成してくれないと
感情や情緒が不安定になってしまうということです
腸内細菌 短鎖脂肪酸

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