あぶらの話で重要なのがトランス脂肪酸です
注意すべきは工業的なトランス脂肪酸ともいわれる 不飽和脂肪酸から人工的なプロセスを経て作られた油です
元は植物油に含まれる不飽和脂肪酸なのですが、マーガリンやショートニングなどの加工油脂と呼ばれるものを製造する際にトランス脂肪酸が生成されます
トランス脂肪酸を含んだ加工食品は、安価で長期間の保存が可能なため使いやすく、食感が良くなるなどのメリットがあります
こういった理由で、特に食品会社や外食産業で広く使われてきました
また、植物油を高温で処理する過程でも、調理時間や鮮度の問題で生成されると考えられているため、スナックやフライドポテトにも含まれうることがわかっています
トランス脂肪酸には、反すう動物の脂肪分に含まれているものもあります 牛や羊などの胃の中に微生物によりトランス脂肪酸が生成され
その結果として牛肉や乳製品などにも微量にトランス脂肪酸が含まれます
この様に自然界に存在する動物由来のトランス脂肪酸は、食品加工時に生成されるトランス脂肪酸と異なり
これまでの研究から心疾患などのリスクを上げるとは考えられておらず
特別な注意喚起は促されていません
そして反すう動物由来のものではなくて、食品加工時に生成されるトランス脂肪酸の摂取は 飽和脂肪酸と比べても心疾患のリスクを上げるだろうと報告されてきました
トランス脂肪酸を摂取することで生じる健康への負荷を受けて、世界では2003年にデンマークが世界で初めて工業的なトランス脂肪酸を含んだ製品の販売を禁止し
ヨーロッパやアメリカ・カナダをはじめとする様々な国での規制が行われています WHOは2023年までにトランス脂肪酸の根絶を目指すことを発表しています
日本ではトランス脂肪酸の平均摂取量が諸外国と比べて少ないため、いまのところ規制はかかっていません
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